タバコの健康被害
喫煙は慢性閉塞性肺疾患、肺がん等の呼吸器の病気のみならず、動脈硬化を基盤とするさまざまな病気の元になります。
また、周囲の人が副流煙を吸う受動喫煙も問題となります。家族に喫煙者がいた場合に3歳児の有喘息様気管支炎は、喫煙者がいない家庭と比べた場合に1.8倍、配偶者が肺がんで死亡する確率は1.9倍へと跳ね上がります。
あなたの近くに禁煙外来
タバコをやめようとしても独りでは挫折してしまう「禁煙」、昔はこれを”根性”で何とかしようとしていました。
禁煙できないと「根性が無い」「意思が弱い」と言われたのです。
禁煙外来では医師が一緒に身体的・精神的にサポートを行いながら、禁煙できるように治療を行っていきます。
ニコチンの強い依存性は、医師や薬の力を借りなければなかなか克服できるものではありません。
ニコチン依存症は「病気」です。このため、次の条件を満たせば健康保険で禁煙治療を受けることができます。
- ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)で5点以上
- 1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上(35歳以上)
- 今すぐ禁煙したいと思っている
- 禁煙治療を受けることを文書で同意
禁煙治療にかかる費用はタバコ代よりも安い
タバコを1日1箱吸う人の場合、月に30箱となり1箱450円としますと月13,500円になります。
喫煙者の65.5%は15,000円以下に収めており、次に多い20,000円以下の24%を含めますと9割の人がひと月に20,000円以下のタバコ代となります。
対する禁煙治療は、8~12週間(5回の通院)かけて行います。
3割負担の方では、医療機関に支払う自己負担分が診察料と処方せん料などが約6,000円ほど、調剤薬局に支払う自己負担分が約15,000円ほどとなり、合計で2万円ほどになります。(3か月間の総支払額)
ニコチンへの依存度が低い(喫煙本数が少ない)場合などでは禁煙の進行状況により多少は変わってきますが、3か月間でおおむね13,000~20,000円が禁煙治療費用となります。
3か月間のタバコ代が、40,000円程度になることを考えますと、その半分以下の費用で禁煙できることになります。
禁煙は今からでも遅くはありません
「もう何十年もタバコを吸っているから、今から禁煙してもリスクはそれほど変わらないでしょ」
と誤解をしていませんか?
タバコがやめられれば、タバコの活性酸素で傷ついた体の細胞も修復されていきます。
やめてすぐに、味覚や臭覚が敏感となり美味しく食事が食べられるようになります。
朝の目覚め、肌の調子や口臭などが改善されていくのが判り、日常生活の中でその効果を感じることができます。
-禁煙による身体の変化-
- 2~3日
- 心臓発作のリスクが低下する
- 気管支の緊張がとれ呼吸が楽になる、肺機能が改善する
- 2~3週間
- 心機能が改善する
- 肺機能が30%回復する。
- 1か月~1年
- 咳、息切れ、疲れやすさが改善する
- 気道の自浄作用が改善し、感染症を起こしにくくなる
- 虚血性心疾患にかかるリスクが1/2になる
- がんになる確率が減少する
保険適用外(自費診療)となる場合
次の場合には自費診療となります。
- 保険適用となっていた全5回の治療期間を越えて、引き続き治療を希望される場合
- 初回の治療から1年以内に、再度初回からの治療を希望される場合